2/9
665人が本棚に入れています
本棚に追加
/1661ページ
ズキリ。 頬の痛みを感じて、頬に指を滑らせた。 ザラリとした感触。 赤黒い滓(かす)が、指先に付いた。 乾いた血液だ。 思った瞬間、背筋に悪寒が疾った。 慌てて、俺は辺りを見回す。 目の前に広がっているのは、さっきまで見ていたモノと寸分違わぬ同じ景色。 けれど。 「あららぎ、まどか、さん?」 横にいたはずの女が消えていた。 .
/1661ページ

最初のコメントを投稿しよう!