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…何度も行かないでと涙を流す上田の頬をただ拭って立ち上がりホテルを後にした。
気付いたんだ。本当の気持ちに。俺が好きなのは上田でも亀梨でも無い。
本当に好きなのは…
「なに?今更。」
冷たい声で迎えられ蔑んだ瞳で射抜かれる。警戒しているのかドアチェーンは外さないまま。
「…入れてくんね?」
居る確証も無い時間に突如訪れたマンション。木枯らし吹きすさぶこの季節にドア越しの会話はキツイ。
「ハァ…。入れよ。」
帰らない俺に根負けし中へと促す家主。
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