一章

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一門ハ家、寄組。この二つの家柄は、長州では身分の高い家柄である。 その寄組士高洲元忠の次男として生まれた信濃だが、家柄が裕福な武家の子。 それだけではなかった。 信濃には、聡明な才能があったからだ。 戦国時代よりも古い時代から長州の毛利家(長州の頭ともいえる家柄)に遣えてきた国司家。 その国司家に1847年、信濃は養子となったが六歳の時、家督を継いで大組頭を相続している。 六歳の幼子が大組頭を相続。それは、まれな話である。 めきめきと才能を開花させる信濃の姿に周りの者は、いずれ大物になると信濃に期待を寄せた。
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