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神や仏が本当に居るんだとしたら、
そいつらは多分、馬鹿なんだと思う。
こんなどうしようもない俺を、何時までもダラダラ生かしておくんだから。
警察沙汰は何度も起こすし、母親は泣かせるし、一体何の得になるんだよ。
「ちょっ、危ねえ!!」
最後に耳に残ったのは、車の、甲高いブレーキ音。
そう。
あん時いっそ殺してくれてたら、社会のゴミを摘まみ出せたのに。
またお袋泣かせたじゃんよ。
「隆昭!! ……よかった……!もう、本当にアンタは!!」
ジメジメするからマジで勘弁してくれ。
「お兄ちゃん……」
「ん?」
見ると、お袋の脇に見知らぬ母子が立っていた。
「助けてくれて、ありがとう」
「……おう」
俺を生かしてたって、これからもロクな事しねぇのに。
馬鹿な神様が居たもんだ。
End.
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