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あぁ、何てことだ。
髪を短くした次の日に、『体調が良いから学校に行って良い』だなんて…
絶対に絶対に笑われる。
-ガラガラ…
控えめに教室のドアを開ける。
こっそり中を覗くと…
あ
隣の席の斎藤 幸太と目が合う。
…若干気まずい。
入るか入らないかモヤモヤしていると、小学校が同じ子達が笑顔でやってくる。
『梓 おはよー!』
『久しぶりだね。』
『…梓、頭…』
近くまで来て気付いたようだ。
ポツリと
「…やっちゃったの」
恥ずかしさを笑いに変えようと試みたけれど、微かに目が滲む。
何かを察した友達-秋山 麗花が、
「休み時間に揃えてあげる」
と、笑顔でハサミを取り出した。
しかもちゃんとした髪を切る用の。
…何で持ってるんだ。
なんて突っ込まない。
「ありがとう」
そう言って、
笑顔で教室に入る事ができた。
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