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自分の席まで行って鞄を下ろすと、
「香川、頭ギッタギタだけど」
失礼な!
隣の席の斎藤 幸太だ。
「うるさいな。もっと他に言い方あるでしょ!」
「いや、マジでギッタギタ(笑)」
どうやら笑いを堪えているようだ。
肩が小刻みに震え、なんだか変な顔をしている。
「自分でやったの、感情に任せて。
笑いたけりゃ我慢しなくて良いよ。
あんたの顔ヤバいから」
斎藤は笑いを引っ込めて真顔になる。
何?
何かマズい事言ったかな。
なんて考えていると、
「"感情に任せて"?」
あ
マズい
非常にマズい…
13才って年で寿命について語っても、漠然としか掴めない筈だ。
そもそも斎藤になんか話す気もない。
何を私はペロッと本音を呟いているんだ!
なんて自問自答を斎藤が知る由もなく。
怪訝そうな顔で、じっとこっちを見てくる。
「何よ、顔ヤバいよ」
笑ってみたがダメだ。
話を逸らせない。
「何でそんなに気になるのよ」
目を合わさないように、鞄の中を整理する。
「だってさ、お前病院に居る間寂しくね?」
は?
.
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