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「はい…」
電話に出たたかしの声はどこか元気がないように思えた。
最近、仕事が忙しかったのか疲れてすぐに寝てしまっていたのを知っている。
だけど、そんなことは今の僕にはあまり関係なかった。
たかしに知らせたいことがあったんだ。
「たかし!僕の写真が大賞とったんだ!!たかしに一番に伝えたくて」
「へぇ…良かったじゃん…」
いつも僕の言うことには自分のことのように喜んでくれるたかしがそっけない。
そっけなさすぎる。
「たかし、体調悪いの?」
「うん…あんまり食欲ないんだ…。それになんだかとっても眠くて…」
明らかにおかしい。
風邪でも引いたのか…。
「病院行ってみたら?」
「うん…病院行ってみる…」
小さな子供のようにオウム返しをしてきた。
いつものたかしじゃないことは確かだ。
「行ったらちゃんと報告するんだよ?」
「うん…行ったらゆうさんに報告…行ったらちゃんとゆうさんに報告…出来るかな…」
やっぱりいつものたかしじゃない。
いつもなら弱音を吐くはずないのに。
1人で行かせるのは不安になってきた。
「たかし、今から迎えに行くから一緒に病院行こう」
「うん…ゆうさんと一緒に病院行く…」
「またきち、ちょっとお留守番しててね?すぐ帰ってくるから!」
僕は電話を切るとまたきちにそう言い聞かせ急いでたかしの職場へと向かった。
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