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(えっ!、た、高い!…)
書店で学生時代によく購入していた女性ファッション誌の値段を見て、真祐美は胸の内で叫んだ。
自分か買っていた頃は、四百円ちょっとだったのが、手に取った雑誌の背表紙に記載された値段は、「税別 七百二十円」。これだけで、真祐美が借りるのを楽しみにしている韓流ドラマのDVD が二本も借りれてしまう。
雑誌には、以前と違い、ページの大きさに合わせた四角な厚紙の箱が挟まれ、黄色いのゴムでガッチリと"封入"されている。
箱の側面には『夏小物類はコレに入れて♪』とピンクの印刷字が並ぶ。
思えば手に取った雑誌自体の厚さも以前に比べ、太くなっているようだ。ファッション雑誌のコーナーの横には、雑誌に付属している付録のバックやポーチの見本が、まるで販売店のように吊るされていた。
今は、こうした"付録"付きが主流らしい。
購入しようと、手に取った雑誌をレジカウンターへ持って行こうとした瞬間に真祐美の脳裏にある考えが浮かんだ。
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