『a view of blissful』

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開けた窓からは時折、冷たくもなく熱くもない丁度良い風が吹き込む。 そしてそれにつられて揺れるのは、黄緑色のカーテンと長く伸びた自分の前髪。 机の上は、パソコンと冷めたコーヒーと大量の書類で埋まっている。 既にその作業の総時間は5時間を越えており、体力的にも精神的にも限界が近付いてきている様だ。 「なぁ」 キーボードを叩く無機質な音の中で、聞き慣れた低い声が聴こえた。 それと共に、ずしりと背中にかかる重さと煙草の匂いを感じる。 それらを気に留めることなく残り少ないコーヒーを飲み干し、作業を続ければ、キーボードを打つ手がピタリと止まった。 というか止められた。 「なんや」 「いつまでそれしてんの」 自分の腕を掴む相手の手を引きはがしながら口だけを動かせば、自分に乗り掛けていた体を起こしながら相手はこちらに尋ねた。 これが終わるまでと書類に目を向けながら答え、またパチパチと無機質な音を鳴らす。 相手も、ふーん頑張れと納得した。 また窓から程好い風が吹き込んだ。
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