秋の章

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「関矢、今日は何して遊ぶ?」 「いや、道場練だろ普通に。」 俺と左龍は所謂幼なじみってやつだ。思えば小学校で同じになってからずっと切れ無い。 格闘技を習い事の一環として当時まだ小学生だった俺に押し付けた両親も両親だが…で、家が近かった為習う先の道場が左龍の居る天道流柔術指南所という訳なのだった。 何と言う巡り合わせか。 俺は小さい頃から左龍に投げられ、あるいは関節技をかけられて畳に沈められた。 柔道では未だにこいつに勝った事が無いのだ。 だが先述の通り左龍は技こそ秀でているものの、学校生活では抜けている所が多く俺は奴が忘れて来た宿題を写させてやったり居残り勉強に付き合って一緒に放課後まで残ってやったり何だかんだで離れられない仲になっていたのだった。
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