102人が本棚に入れています
本棚に追加
「しっかりしろー!」と兄弟子達は目貝君にすがって叫ぶ。
「気絶しておるだけだから。そっとしてやりなさい。」
龍夢さんが諭したので、どうにか安心し兄弟子達は黙る。
「そうか、あの娘は男の子だったのか。」
「って言うか男の娘だったのか…。」
虎狼館の門弟は静かに繰り返し目を瞑り押し黙る。
今さらだけど気づいてなかったのか。俺としてはそこが驚きだけど、まぁ無理も無いか。
初対面の人間なら誰しも間違うだろう。
顔の作りだけで無く、体型やら立ち居振る舞いやらで男らしさと言うものは自然と露呈する。作り物の女の子っぽさなど脆い物で何から何まで女の子の様なというのは虚構の中でしか有り得ない代物だろう。
飛んだ非実在青少年もあったものだ。
いや、でもさ
違うと思うんだ。
だからと言ってそれをわざわざ絶命間際に兄弟子達に告げるべき最優先事項では無いだろうやっぱり。
いや、目貝君別に死んで無いけど。
最初のコメントを投稿しよう!