秋の章

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「うん。じゃあ神前に礼。お互いに礼っ」 「お願いします。」 「お願いします。」 俺と左龍は向かい合う。 左龍の黒々とした髪。前髪は眉上で揃えられ、後髪は首が隠れて肩までかかっている。 俺達の場合睨み合いはあまり続かない。 左龍は相手の動きを見て動く、静のファイターであるのに対し俺は先手必勝、敵より先に仕掛けるタイプであるからだ。 左龍が目にかからない長さに切りそろえられた前髪の下のから俺を窺っている隙に俺は奴の眼前まで到達していた。 カウンターは取らせ無い。 奴の懐深く潜り込み俺は掴みかかる。
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