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「何を言うか、ほれ見てみぃ。」
龍夢氏が促す。
見ると串中の手足は戻っていた。
折れたのでは無い。
ただ、腕も足も関節が外れていたのだ。
「脱臼!?」
左龍がそれを狙ってやったのかは解らない。
だが、彼は串中の腕を外しその感触を覚えた。
そして物にしたようだ。
「悪くない」
とはその事か。
龍夢氏は
「骨接ぎはやっておいたぞい。ただあまり激しく動かさん事だ、今抜けやすくなっておるから」
と付け加えた。
「ぐぬぬ…目貝のみならず続けて串中までも!おのれ、だが次はそうは行かん」
と言いかけて
「あのさ、悪いんだけど今日はここまでにしてくれないかなぁ。」
と左龍はぽーんと言った。
アホみたいに言ってのけた。
「あ?今さら退けるか。起死回生、こちらが勝利するまで…いや、もしくはこちらが全滅するまで試合は続行する。」
と磊犇森氏。
「いやぁ、それもそうなんだけどね、こちらの都合としては…今日はこの後その。」
“道場練があるから”と左龍が言葉を終えると
「わー」っと子供達が入って来た。
道場は小学生達で一杯になりたちまち修練が始まりやかましくなった。
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