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「ボクはねぇ、お姉さんが好きなんだよ。」
と左龍は言う。
「お姉さんが好きなのだよ。」
と、やや語調を変えてもう一度言う。
何千回も聞いた話しだ。
こいつはただ自慢したいだけなのだ。
美しく、気高く強く聡明な姉の存在を。
あるいは姉と結ばれる自分と云う存在を
か。
兎に角、何を隠そう左龍は極度のシスコンだった。
髪型も姉に由来する。そんないきさつをやはり俺は何度も聞いたし、聞いて無いのに聞かされた。
そして目貝と串中はもう寝たいのに夜通しそれを左龍から延々と聞かされるのであった━。
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