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「母海っ!」
「気絶しているだけだ。殺してはい無い。」
磊犇森氏が駆け寄る。かなりあたふたしている。
「うむ、試合続行不能じゃ。これにてこの勝負、左龍の勝ちじゃ!」
龍夢氏は特にあわてふためきもせずに言い放つ。
「ちょっとあんたら、冷静過ぎだ。しかも何だ首を捻るって完璧に悪役じゃないか!」
俺はいよいよハラハラして、もう辛抱出来ず左龍に掴みかかった。
「お前は何だ、闇の武術の遣い手か!?」
「関矢くん…。」
小さく言って左龍は口ごもる。
「関矢くん…」
龍夢氏も言葉を止めた。
「ほう、お前は門下生のくせに知らぬのか!?天道流は古来より続く門外不出の暗殺拳の流派よ!」
ふふふ、と何故か部外者の磊犇森氏が勝ち誇ったように説明を続ける。
「なん…だと!?」
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