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「滅ぼすと言いましたが殺したりはしないはずです。正確に言うと世界を混乱に陥れるといったところでしょうか。そう確信しているのは、900年ほど昔に私たちの住む世界『天界』が一度悪魔たちの襲撃をうけ、一時的に力の天秤が大きく傾いたその隙に人界に大きなダメージを与えました。なんとか、その時は体勢を立て直した天使たちが撃退しました。なぜ悪魔たちは人界を狙ったのか、私たち天使はこう考えています。【神を消滅させようとしている。】神を消滅させる方法は一つだけ。それは、供給している力の源を絶つことです。神や私たち天使はあるものを力に変えています。それがなんだか分かりますか?」
急に振られた問いに悠雀は、少し考えてから答えた。
「神とか天使って宗教関係だから、やっぱり祈りとかか?」
「30点ぐらいですね。正確に言うと、喜びや楽しいといったプラスの感情です。それに対して悪魔たちの力の源は憤怒や嫉妬などのマイナスの感情です。もし、人間たちが負の感情しか感じない世界を作ってしまうと私たちは力がなくなりそして悪魔達にやられてしまう。」
「まずは、力を手にいれてから攻めるつもりか。」
「ええ、そうです。ですから、悪魔達は人界を半壊させ混乱に陥れ負の感情がでやすい世界を作るつもりなのでしょう。そして、天界を滅ぼすでしょう。」
「悪魔は天界を滅ぼしてなにがしたいんだ?」
キャリーは、困った顔をした。
「そこは、まだ私たちもよくわからないんですよ。ホントにそんなことして悪魔達は何をしようとしてるのでしょうね?」
俺に聞かれても、と思っていると音楽がなった。
悠雀の携帯の着信音だ。携帯のディスプレイにはお母さんと出ていた。
「ちょっと、ゴメン。」
そういって、電話をとった。
「もしもし、なに母さん?」
「なに母さん?じゃないでしょ!!!早く帰ってきなさい!!」
それだけ言うと電話を切った。
時間を見ると下校してからもう2時間もたっていた。
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