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息を切らしながら、ただただ走る。
足が縺れ、何度も躓きそうになりながらも、足を止める事だけはなかった
何故走るのか?
その理由は至極簡単、死にたくないから。
後ろを振り返ると、俺の命を刈り取ろうとする悪魔がいた。
浅黒く、人の頭蓋骨のような顔に、大の大人一人位の大きさはあるであろう烏の体。
名をグルルと呼ばれる、魔物だ。
あの巨体から乗り掛かれたり、鈎爪で掴まれ空に放り投げられたり、はたまた、そのまま頭蓋骨を砕かれたりすれば一溜まりもないだろう。
勿論、あれを撃退できれば良いのだが、今、息を切らしながらひたすら逃げている事からわかるように、俺、こと【レイ=ニール】には、そんな力もなければ能力もない。
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