珍しい…かな?

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「成田は俺にとっては大切な男だからな」 「いや…そこは普通に“友達”とか言ってくれよ。“大切な男”ってなんだか…彼氏みたいで照れるだろ?」 成田は照れくさそうにペットボトルの底を顎にあてはにかんだ。 「彼氏?…誰もおまえを恋人にするとは言っていない。俺はもっと見る目がある」 「見る目?あ~んなちょこまかした奴を“いい”なんて言ってる見る目のない成瀬が“見る目がある”って?ぶっははは…」 こんなことを言われ“ムッ”としたが、大笑いしている成田を見ていると安心した。 「見る目があるからこそ、良き友を得たと思っているのだが?」 成田は『確かに友達を見る目はあるよ』と言って優しく微笑んだ。 「ありがとう…成瀬」 成田はそう言ってから『惜しいことしたな』とイタズラっぽく俺を見た。 「成瀬にキスしてもらえる最初で最後かもしれねえチャンスだったのにな」 いつものように楽しそうに笑う成田に、俺も気分が落ち着いていった。 家に帰ると… 「おう、おまえがこんな時間に帰るなんて珍しいな」 兄さんが上りかけていた階段を下りてきた。 「ただいま、兄さん」 兄さんは今日は機嫌がいいように見えた。 「昴も高校生になったんだから、どこで何したって構わねえけど…あんま心配させんなよ」 「すみません」 おそらく天野さん達が、めったに出歩かない俺を心配してくれていたんだろう。 「あ…兄さん。今日タケシさんにお世話になってしまって…」 「タケシ?俺のツレのか?」
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