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返事に困っていると、成田が教室に駆け込んで来た。
「成瀬、モリモリとリンリンも一緒に勉強したい…って、何で取り囲まれちまってるんだ?」
成田が不思議そうな顔をして聞いた。
「私達、成瀬君が放課後勉強するって言ってるから『一緒にしたい』って頼んでるの」
「はあ?ダメダメ!俺が先に予約済みなの!」
成田が胸の前で大きく×をした。
「成瀬は貴様のモノじゃないだろう!成田だってパンダの名前のような奴を、成瀬に無断で勝手にメンバーに引き入れたんだろうが!」
「そうよ」
「ちょっと…」
何故か…どう言う訳か…困惑する俺を囲んで、4人が不機嫌な顔をしている。
「亜澄。それで放課後どこに行けばいいの?あれ?どう…したの?」
森さんと林さんが、不機嫌そうな4人に囲まれた俺の席に近づいて来た。
「あ、モリモリとリンリン」
「そろそろ、その罰ゲームの呼び方止めてよ」
「いやあ、面白くって」
成田は彼女達を見て笑って言った。
「モリモリとリンリンって…」
『そう、この2人』と成田が言うと、平野はピクッと眉を上げてから、不自然な程の笑顔で
「パンダの彼女達がいいなら、俺達もいいよなあ?成瀬?」
「誰がパンダよ!あんた誰よ!」
「俺は成瀬と超仲のいい平野だ!」
バンッと自分の胸を叩く平野を驚いて見上げる俺に、平野はニッコリ笑った。
「脳に花咲いたてめえの勘違いだろうが。成瀬と超仲がいいのは“俺”だ」
成田は親指を立て自分を指した。
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