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放課後ーーー
静かに集まった、俺を含めた7人は、淡々と移動し、机へと辿り着いた。
「ほら、成瀬。早く座って教えてくれよ」
成田が椅子をひき座るように促した。
「すまない」
俺がそこに座ると、右隣に成田が座り、左隣に平野が座った。
成田と平野は急に仲が良くなったのか、しばらくの間微笑みを浮かべ見つめ合っていた。
向かい側には、女子が横一列に並び、こちらも微笑みながら見つめ合っている。
(俺の知らないところで、みんな仲良くなっていたんだな)
昼休みのような状態であれば、即刻帰ろうと考えてたが、このように穏やかに過ごすのであれば実に望ましい。
しかし…何故このメンバーで勉強することになったんだろうか?
やはり謎でしかない。
「あれ?合わねえよ…」
成田が小さな声で呟いた。
「どれだ?……おまえ、ここの掛け算で既に間違えてるぞ」
成田はそそっかしいのか、こう言う簡単なミスが多い為に点数に繋がらない。
「慌てるな。やり方は間違ってないんだから、少し落ち着いて向き合え」
「成瀬ぇ。ここ教えて?」
平野が鼻にかかった声で俺を呼んだ。
「クックク…平野、声が可笑しいぞ。風邪でもひいたのかなぁん。こじらせたら大事だから、早く帰って休んだ方がいいぞ」
成田がニッコリ笑って平野に言うと、平野は成田に負けないくらいの笑顔を見せた。
「おまえなんぞの心配には及ばねえよ。成田はまず小学校で掛け算を1の段から習ってから出直せよ」
「平野君て結構言うわね」
森さんと林さんも笑っている。
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