二度目の覚醒

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休み時間、友達から面倒なことを押し付けられた。 来週行く遠足に米や炊事の道具を持ってくる係にされた。 こんな面倒なことは、したくなかったが僕に言い返す勇気はない。 渋々引き受けて史朗は、お姉ちゃんのいる職員室に行った。 お姉ちゃんは、この学校の先生である。 僕は、お姉ちゃんのところに着くやすぐに手を前に出した。 「何?この手」 「遠足のお金。お米とかの」 「またあの子たちね 。イヤな役ばかり押し付けられて。たまには言い返しなさいよ。男の子でしょ」 僕がそんなこと出来れば、苦労してないよと思いながらも、お姉ちゃんはまだ話す。 「ガツンと喧嘩ぐらいしないと、コキ遣われるだけよ」 もう帰ろう、そう思い帰ろうとした。 「史朗。ついでに晩ごはんのおかずも買っといて」 結局お姉ちゃんにもコキ遣われるハメになるのだ。
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