ある日の空間移動

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場所は、東京都の三分の一の広さの学園都市。「学舎の園」にある女子中学校、常磐台中学の一教室にいるツインテールは窓の外を眺めていた。 「学舎の園」は特に優秀な生徒たちが通う、学園都市に置いても一大文京区と言える。 学園都市は、「超能力開発」による能力の強さに置いて、成績が大きく差がつく。 ここ、常磐台中学は強能力(level3)以上…実用に耐えうる能力を持っている女子しか入学を許可されない。 いかに大富豪のお嬢様と言えども、能力の低さにより手のひらで返した伝説まである。 今は一時間目の現代文の授業だった。 周りの生徒は、先生の話をよく聞き、ノートをとる音が耳につく。 しかし、ツインテールの彼女にはお嬢様中学での優秀生徒という肩書きよりも優先事項があった。 熱い視線は依然として窓の向こうに。 それは… (それは…お姉さまの美しき四肢をこの目に焼き付けることですの…!!) ちょうどこの日は、一時間目が彼女…白井黒子の言う「お姉さま」の体育なのである。 この時期は、よく晴れた日も多く、グラウンドを使用した授業がほとんどだ。 現代文のテストだけ、ほかの教科よりも悪く、雨の日が憂鬱なのもそのためだ。 黒子の目の先にいるのは、体操服姿でショートヘアをピンで留めて走る彼女…御坂美琴。 言わずと知れた、学園都市の超能力者〈level5〉の第三位、超電磁砲〈レールガン〉だ。 やはり彼女も凛々しくカッコ良くもあるため、他の女子からも多大な人気を誇るが、白井黒子は異常だった。 まず、過去の行動だ。 入学してからまもなく、美琴の寮のルームメイトを追い出し強引に同部屋に入り込み、一ヶ月たった日には下着が見えるほどのネグリジェを着て彼女を出迎えたほどだ(左天と初春の乱入により未遂)。 隙あらば彼女の食べかけを狙い、また隙あらば彼女に媚薬を飲ませようともした(間違えて自分が飲んで大変な目に)。 そんな(しつこい)彼女を、(半ばあきれながらも)ルームメイトとして、後輩、仲間として見ている美琴も凄いが… 黒子は、恍惚な表情でため息をついて、 「お姉さま~…」 思わず口に出して、彼女を(現代文の成績の悪さで)マークしている教師に睨まれた。 .
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