ある日の空間移動

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仕方なく、再度ココアのパックを開けて、白井のカップに入れる初春。 さらさらと入る音がしているその時、 「ミルク仕立てにしてくださいませんこと?」 うぐぐ…となる初春は、流石にココアを2パック飲み干した罪悪感もあってか、やれやれとミルクを電子レンジに入れた。 「そう言えば、何か進展はありました?」 それには、白井は微妙そうな顔をした。 「現場の風紀委員の話では映像機器のみならず、電波式探知機にも引っ掛からなかったとの事ですの。おそらく、複数犯の能力者の仕業と考えられますわ」 そう苦そうな顔をして続ける。 「つまり…光線操作系と電波操作、ないし電子操作系の能力者による犯行ですわね…」 厄介ですね…と初春は、呟きつつ温まったミルクをカップに注ぐ。 「あ、そう言えば、白井さんの頼みの偏光能力〈レーザーフレキシブル〉と縮光能力〈レーザーフォーカス〉のデータリストですけど、今ディスプレイにアップしてありますよ」 カチカチとココアをスプーンでかき混ぜつつ、ディスプレイを指差した。 ありがとうございますですの、と言われると、ついてへへ…となる初春である。ディスプレイを眺めている白井に、はい、とココアを渡して言った。 「条件に該当する能力者は、41名。事件の現場から半径ニキロ圏内に所属する学校、または寮がある生徒は11名でした」 「結構絞れましたわね…」 と言って、マウスをドラッグする白井。 その時、突然ピタッと動きを止めた白井に、初春は「どうかしました?」と問いかける。 「鷹見陽…まさか…」 「?この方がどうかしました?」 「現場にいた風紀委員の一人ですの。この方も光線操作系の能力者でいらしたなんて…」 ああ、なるほど、と初春は一人合点する。 .
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