プロローグ

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 天災は忘れた頃にやってくる。まさしくその言葉通り、予期せぬ出来事が起こった。  成層圏の遥か彼方から、突如現れた一本の光の柱が地上に向けて突き刺さった。  その柱は世界中で確認出来るほど巨大であり、また神々しいまでの光を放っていた。  柱は二重螺旋を描きながら伸びていた事から、創世記に記されていた"バベルの塔"ではないかと憶測が飛び初めていた。  その影響はまさしく空前絶後。巨大な隕石の衝突と同様で、世界中で天変地異が確認されていた。  空は裂け、海は荒れ狂い、大地は砕け散り始めていた。  異変はそれだけでは終わらず、光の柱から"人成らざるモノ"が次々と姿を現し始めたのだ。  そのモノ達の姿形は神話やお伽噺でしか語られていないもの。  その姿を見たある人は"神"と崇め、またある人は"悪魔"と恐れ、そして"妖怪"と畏怖した。  現れた人成らざるモノ達はその姿形の通り、強大な力を持ち、その力を何ら躊躇なく使い初め、更には、お互いを敵と認識し争いを始める始末であった。  こうして、世界は瞬く間に破滅の道を歩み始めてしまった。
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