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オレ、中海 蒼依(ナカウミ アオイ)は
自分に覆い被さる人物に辟易していた。
もし、
この覆い被さる人物が
オレが付き合っている、
オレ様な先輩の結城 恭(ユウキ キョウ)だったら、
ここまで辟易していないだろう。
恭先輩なら、
問答無用で蹴飛ばしているはずだからだ。
香水の香りだろうか…。
甘い匂いが鼻先を掠め、
覆い被さる人物の近さを実感させる。
「抵抗しなくていいの?」
ハスキーがかった声と共に、
するりと頬を撫でられ、
オレは
頬を撫でる手を払った。
クスクスと耳元で笑われ、
オレは"彼女"を睨みつけた。
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