第1章

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オレ、中海 蒼依(ナカウミ アオイ)は 自分に覆い被さる人物に辟易していた。 もし、 この覆い被さる人物が オレが付き合っている、 オレ様な先輩の結城 恭(ユウキ キョウ)だったら、 ここまで辟易していないだろう。 恭先輩なら、 問答無用で蹴飛ばしているはずだからだ。 香水の香りだろうか…。 甘い匂いが鼻先を掠め、 覆い被さる人物の近さを実感させる。 「抵抗しなくていいの?」 ハスキーがかった声と共に、 するりと頬を撫でられ、 オレは 頬を撫でる手を払った。 クスクスと耳元で笑われ、 オレは"彼女"を睨みつけた。 .
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