最終章
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午前九時二十三分 馬橋さんの母親が来てくれた。 ただし辛いことを言わねばならない。 この瞬間はいくら医者になって十年たった自分でもまだ慣れない。否これからも慣れないだろう。 馬橋さんの母親が落ち込んだ顔で寄ってくる。 言わねばならない。 「もう死ぬ」と。
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