壱ノ巻 始まり

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「……それは出来ません。たった今、決裁が下されました。城崎様には、強制的にイベントに参加していただきます」 「え、ちょ、待っ…」 「今から本イベントの主旨をお伝えします。 よく聞いておいてください」 問答無用で拒否権無しに話が進められていく。こっちの意見はガン無視で。 「城崎様にはこれから、お使いの携帯で我が社のイベントページにアクセスして確認をとってもらいます。確認をとっていただいた時点で、イベントに参加したことになります」 尚も佐々木は説明を続ける。 「イベントの進行には、お使いの携帯が必需です。 もし、損失したり故障した場合は失格とさせていただきます。アクセスしなかった場合でも、イベントには参加となりますが、内容上皆様の身辺が安全かどうかは分かりません」 「あの、ちょっと、話を聞い…」 「詳しい説明はイベントページにて確認してください。 それでは御武運を」 ブツッという音と共に電話がきれた。 「え?おい、ちょっと!」 通話が途絶えた相手につっかかるが、何も返ってはこない。しばらく呆然としていると、携帯からメロディが流れてきた。 今流行りの着うたが耳に入り、ようやく我に返る。 「……今度はなんだ…」 受け取ったメールは、さっき佐々木が言っていたものなのか、知らないアドレスでURLだけが貼られていた。 そう言えば、アクセスしてもしなくてもイベントには参加することになるけど、どうなるかは知らんとか言っていたことを思い出す。 「……ったく、意味わかんねえ」 なんでそんな脅しともとれるようなことを言われるのか、見当も付かない。 が、一応保身の為ページにアクセスしてみる。 数瞬の後、やたら派手なサイトに繋がった。「ご参加ありがとうございます!」と大きな文字で書かれている。 参加するつもりじゃないんだけどな…と思いつつ、ページに書かれた説明を読んでいく。
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