壱ノ巻 始まり

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◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇◆◇ とりあえず休憩がてら公園のベンチに座り状況整理。 えーと、まずは初めから。 「知らない人から電話が掛かってきた。その人にイベントに参加しろと言われた。問答無用で参加させられた。なんか武将を召喚すると書いてあった。秘宝を集めたら願いが叶うとも書いてあった。そんな訳で皆さん頑張れよ……と、こんなもんか」 状況整理完了。何も間違っているところは無い。 「何でだよ!色々間違ってるだろ!いや間違ってろよ!」 もう何が何だか過ぎて滅茶苦茶な言い方になってしまった。 「大体何だよ、武将召喚って、ファンタジーか!FA〇Eか!聖〇戦争か!サモン〇イトか!」 ページを開いたままの携帯にツッコミまくる。返答は無い。 「もう嫌だよ……なんでバカラオケの後にこんなことになんだよ……もう疲れたよ…パト〇ッシュ……」 疲労困憊でベンチにもたれ掛かる。朝8時から乱痴気騒ぎの馬鹿騒ぎで心身共に限界を越えている。 因みに『バカラオケ』とは文字通り『馬鹿みたいにカラオケで歌うこと』の略語である。何とも馬鹿げた発想だ。 「つーか何で俺なんだよ、他にもいるだろ適役が。俺はこんな面倒そうな事願い下げだっての」 尚もぐちぐちと文句をたれる。 そりゃそうだ、悪友達と居るときならこうはならなかっただろうが、こっちは死にそうな程疲れているのだ。 誰だってこんな時に厄介事を持ち込まれたら、いい気持ちはしないだろう。 「はあぁ………。 ……とりあえず帰るか…」 ゆっくりと重い腰を上げ、公園を去ろうとしたその時、
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