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いとこに外のガレージへ連れて行かれ…
階段に座った。
『大丈夫か?』
いとこの兄貴とは話なんてしたことなかった。
いつも家に居なかったしね。
『………』
私は黙ったまま、膝を抱えた。
『お前さぁ…実家帰れよ。』
兄貴が頭をポンと叩く。
『我慢しすぎ。いいんだよ。別に。』
私は兄貴を黙って見てた。
『あの人はさ、酒癖悪いしさ…思い通りにならないことが嫌なんよ。周りの目とかあるしさ。』
思い通りというのは…仕事のこと。
今までパパと一緒に仕事していて、パパに任せっきりで自分で仕事を取ってきたことがないんだ。
それで一人になって、自分で仕事を取れないまま3年が過ぎてしまった。
莱巫は兄貴が実の父親を“あの人”と呼んだことに、なんだかほっとした。
叔父さんを嫌いなのは莱巫だけじゃなかったんだね…
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