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「そっか。…あ、片倉くん」
「もう、謝った。メールで、暗号で」
暗号で…、そんな謝り方する人初めてみたよ…。
彼の答えに苦笑していると、彼は急に私の名前を呼んだ。
「どうしたの?」
「ん、いや、そういえば言ってなかったな、と思って。穂川さん、メリークリスマス」
「うん、メリークリスマス!」
初めて言ったその言葉は、なんだかとても暖かかった。
そっか、これがクリスマスなんだ。
電気を消す前にもう一度だけ見たクリスマスツリーは、今まで見てきたどんな灯りよりも輝いて見えた気がした。
来年も、見れるといいな。
《終わり》
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