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「ねぇねぇ、紫乃っ!24日にさ、あたしの家でクリスマスパーティーするんだけど、あんたも来ない?」
毎年のことだけど、こういう誘いはとっても困る。
別にパーティーが嫌な訳じゃない、むしろ行きたいけど…。
「ごめん。私ね、その日も家の手伝いをしなくちゃいけなくって…」
「あー、そっか。…ごめん」
ほら、そういう顔をさせちゃうから、私は困るんだ。
気まずそうに立ち去っていく彼女の後ろ姿が、遠く見えた。
そうやってぼんやりと彼女を見つめていた私には、自分が溜め息を吐いたことも、その溜め息が近くにいた男子生徒に聞かれていたことも、ましてやそれを聞いた彼が小さく口角を上げたことも、気付く筈も無かったんだ。
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