松永久秀という男

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「フフフ、お師匠…いやさ早雲公が見出したる悪久秀も真田の双子には手が及ばぬかえ?」 「フン…敵ながらも天晴れよ、領地経営は万全無欠、武威留まる事知らず朝廷の公家様方は今や半数以上が真田の銭にて抱え込まれた」 「しかも噂の黒筒に見事な志摩産馬に豪壮なる船団か…上げだしたらキリが無いのぅ」 「全く以て忌々しい…これで将軍家に連なる血筋と言うから厄介極まりない」 「…それで久秀、今後の動きは如何する?」 「変わらぬ、我らが師匠…早雲様の目指したる世を志を天下に敷くべし動くのみ!」 「では…」 「あぁ…計画は第二段階へと移行する」 「が、問題が三つ」 「権勢増したる将軍家、早雲様の志を挫き尻尾を丸めた美濃蝮…そして真田」 「美濃は任せよ」 「殺るのか?道三を」 「あぁ…弟の責は兄たる儂にもあるでな」 「雲海…」 「坊主は止めじゃ、種は既に蒔き終えた…影にも飽いたしの」 「フフフ、では南光坊雲海いや…斎藤道三殿、美濃の抑えはお任せ致す」 「斎藤道三が双子と知るは我等四人がのみ…弟には悪いが御退席願おうか、道三は此より一人で事足りる故な」
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