松永久秀という男

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久秀動く 伊賀に向けて三好家中に軍備拡張の動き有り、その中心は松永久秀 風魔の一報に祝言目出度く未だ沸き立つ真田家もすぐさま臨戦態勢整え主の指示を待つ 義幸、奉幸、雪斎に幸政が集まり軍議が始まる 「雪斎、この動きどう見る?」 「はっ、南進を終え豪族犇めく伊賀の地に目を向けるは必然では御座いますが…」 「伊賀取れば我等真田と隣接するな…」 「はい、噂に聞く松永久秀なら…」 「無駄に我等を刺激する様な愚行は起こさぬ、と?」 「はい、隣接すれば些細な小競り合いが全面戦争へと突入も有り得まする故」 「ならば幸政、久秀の狙いは?」 「…陽動、我等の目を伊賀及び三好の軍勢へと向けて…四国?それとも北進?」 「陽動までは読めますが狙いがイマイチ分かり申さん」 「フム…」 当代随一の二人の軍師が首を傾げて唸る様を涼しげに見つつ、義幸は広げられた地図へと扇子を落とす 「久秀の狙い等此しか有るまい」 トンッと置かれたその先は 「京?」 「…将軍家!?」 「義晴様が退き義輝様が将軍へと御登りなさる旨が先程届いた」 「!」
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