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血で血を洗う乱れた世中
百年に及ぶ戦乱に於いて民は疲弊し考える事を放棄した
只々、流される儘に日々を過ごし惰性に生きる
誰かが何とかしてくれる
その想いはやがて渇望となり英雄を欲す
そんな中現れた期待の将軍
稀代となるか希望になるか
藁にも縋る民達は力有る将軍を求める
「その凶行、その一刺にて足利幕府の命運は潰えるだろうよ」
「将軍殺し…武家にとっては父とも呼べる存在を、そない簡単に殺める事が?」
「出来る…松永久秀という男はな、武家に身を置きながら武家に非ず」
「名より実利を取る商家の出、でしたかな」
「そういう事じゃ、将軍殺しの悪名よりも邪魔者排除の益を取る」
「朝廷の御為…ですか」
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