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「着いたよ」
マンション前で下ろされた。
「ありがとうございました」
ペコッと頭を下げて、マンションに入ろうとすると、
「何階?」
と後ろから呼び止められた。
「あ、あの……ここでもう結構ですので。ありがとうございました」
これ以上は危険なニオイがする。
それにここからは、セキュリティ専門スタッフや、コンシェルジュが24時間いて、怪しまれたくない。
戸惑う私の顔をじっと見つめ、
「わかった」
と一言呟いた。
帰ってくれるかと思ったのに、
「コンシェルジュのところまでだから」
と言われると、その真剣な目から信用してしまう。
え?
もうゆっくり歩くだけだから平気なのに、市ノ瀬さんは、また、おんぶをする姿勢でしゃがんだ。
「あ、あの……」
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