運命2

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「じゃ、俺らも行くぞ」 西野琢磨を連れて行こうとする市ノ瀬さんに、 「あッ!あの……市ノ瀬さん。先日はありがとうございました」 と、背中に向かって声をかけた。 「先日?誰かと勘違いじゃねェの?それに今、仕事中」 えっ……。 背中を向けたまま振り返りもしないで行ってしまった。 「須羽さん、行くわよ」 私たちのやり取りを気にもとめない高田チーフは、既に、パソコンを見つめていた。 市ノ瀬光騎。 平凡とは程遠いその名前を間違えるわけないのに。 あれ程整った顔のイケメンさんは、そうそう間違えるわけないのに。 「須羽さん。一つだけ忠告しておくわ。市ノ瀬くんにアピールするなら仕事中は厳禁よ。女の子を強調して仕事をしない子が一番嫌いね」 今日の予約を確認しながら、淡々と言い放った高田チーフ。
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