運命3

3/24
前へ
/559ページ
次へ
「須羽ちゃん、だいぶ仕事に慣れたね。どう?もうすぐ仕事終わるでしょ?食事行かない?」 「あ……佐伯さま。いつもお誘いありがとうございます。ですが何分、まだ新人。チーフから、仕事終わりの研修が……」 残念そうな顔を作るのも慣れてきた。 この人、佐伯愁善(しゅうぜん)。 軽い口調だが、これでも、都内の一等地に会社を置く社長さん。 勿論、そんな研修なんてないのだけれど……。 「んー、残念。須羽ちゃん、ツメが甘いね。高田っちは、今日、マネージャー会議じゃん」 はッ……やってしまった。 夕方、沢田マネージャーの身内に不幸があり、急遽マネージャーは帰社したのだった。 その電話を受けた後、月一のマネージャー会議の代理を高田チーフにお願いしているところへ、佐伯さんが来たのだから、聞こえていたのだ、きっと。
/559ページ

最初のコメントを投稿しよう!

11465人が本棚に入れています
本棚に追加