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「須羽ちゃん、だいぶ仕事に慣れたね。どう?もうすぐ仕事終わるでしょ?食事行かない?」
「あ……佐伯さま。いつもお誘いありがとうございます。ですが何分、まだ新人。チーフから、仕事終わりの研修が……」
残念そうな顔を作るのも慣れてきた。
この人、佐伯愁善(しゅうぜん)。
軽い口調だが、これでも、都内の一等地に会社を置く社長さん。
勿論、そんな研修なんてないのだけれど……。
「んー、残念。須羽ちゃん、ツメが甘いね。高田っちは、今日、マネージャー会議じゃん」
はッ……やってしまった。
夕方、沢田マネージャーの身内に不幸があり、急遽マネージャーは帰社したのだった。
その電話を受けた後、月一のマネージャー会議の代理を高田チーフにお願いしているところへ、佐伯さんが来たのだから、聞こえていたのだ、きっと。
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