運命3

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「否定も出来ない。研修する用意も出来ない。やる気あんの?」 「何もそこまで言わなくても……」 遠慮がちにそう呟いたのは、先輩の受付事務の、中山紗耶さん。 私よりも五年先輩で、私の指導係。 「甘いこと言ってっと、女を武器にするような何処かの安いキャバ嬢みたいになるだろ、最近の新人は」 「須羽さんは違うでしょ。そういう決め付けた言い方は―――」 「なりません!No.1になります」 紗耶さんの話を遮ってごめんなさい。 でも、受付のNo.1を目指す気持ちを持ってお仕事をしていることを市ノ瀬さんに伝えたかったの。 「あらら。高らかに宣言しちゃって」 「ったく。馬鹿か、須羽は」 そう言った後、二人が大きなため息をついた。 それも仕方ないこと。
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