運命3

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だって、館内に響いてしまったし、スタッフの手を止めただけでなく、目が私に集中したし。 幸い顧客は、佐伯愁善が最後だったので、市ノ瀬さんに怒られず済んだこと。 「教育係、しっかり指導しろ。それから少し早いけど、須羽を連れていくから後頼む。高田チーフには俺から連絡を入れておくから」 「はい。余り厳しくしないで下さいね。須羽さんは、天然なほうですから」 それに市ノ瀬さんが返事をする。 ふに落ちない。私、天然キャラじゃないのに。 「早く、支度しろ」 「あの……メモの用意は出来ていますけど」 「カバン、着替え」 「え?」 「研修後、そのまま帰社になるからその用意って言わないとわからない?」 「す、すいません。今、すぐに」 最後まで言えたかどうか。
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