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だって、館内に響いてしまったし、スタッフの手を止めただけでなく、目が私に集中したし。
幸い顧客は、佐伯愁善が最後だったので、市ノ瀬さんに怒られず済んだこと。
「教育係、しっかり指導しろ。それから少し早いけど、須羽を連れていくから後頼む。高田チーフには俺から連絡を入れておくから」
「はい。余り厳しくしないで下さいね。須羽さんは、天然なほうですから」
それに市ノ瀬さんが返事をする。
ふに落ちない。私、天然キャラじゃないのに。
「早く、支度しろ」
「あの……メモの用意は出来ていますけど」
「カバン、着替え」
「え?」
「研修後、そのまま帰社になるからその用意って言わないとわからない?」
「す、すいません。今、すぐに」
最後まで言えたかどうか。
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