運命3

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キリッと顔立ちのいい市ノ瀬さんに睨まれると、絶対命令で、言葉を口にするよりも早く体が動いた。 崩れかけているであろうメイクも直せないまま、市ノ瀬さんのもとに戻ると、外に出ていく。 「あ、れ!?研修は?」 思わずその背中に声をかけた。 うっとうしそうに振り返る市ノ瀬さんは、 「んなもん、俺がするわけないじゃん」 と、追い付いた私の耳元で小声で囁いた。 「ヒャッ!!……あ、あの、すいません。でしたらこれから何処へ?」 耳にかかる息に過剰に反応したのは、不意打ちみたいなものだったからだけど、多分、もう真っ赤。 今が、暗がりでよかった。 「愁善の待ち伏せから、一人で逃げられんの?」 「え!?佐伯さまは帰ったのでは?」 「んなわけあるか!自分の目で確かめて見るんだな」
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