運命1

4/11
11466人が本棚に入れています
本棚に追加
/559ページ
でもね。仕方ないと思う。 こんなに綺麗な顔した人を、私は家族以外に見たことがない。 こういうと頭がおかしいと皆は言うけど、実際パパやお兄ちゃんに逢わせると皆一様に納得する。 それくらいパパもお兄ちゃんも素敵なんだけど……。 今はそれどころじゃなかった。 目の前の男性が、怒ってらっしゃる。 「あ、あの、ごめんなさい」 ペコッと謝ると、あとは、大急ぎでコンビニのドアを目掛けて走った。 陳列棚の角を曲がったところまでは順調だったのに、 「キャァ!!」 走りなれていない私は、まんまと、転びそうに。 それも前に転びそうならまだしも、バナナの皮でも踏んだコントのように後ろに倒れかかるなんて、有り得ない!! 「危ねっ!!」 それを助けてくれたのが、先程の男性なんていうのも、有り得ない。
/559ページ

最初のコメントを投稿しよう!