運命1

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「す、すいません」 男の人に触れられたのは久しぶりで、それがイケメンさんときたら、勝手に、心臓が走っていた。 「いや、いいけど。あんたそのまま帰るの?」 「え?」 「うん。だからソレ歩きにくくない?」 首を傾げ、指を差された足元は…… 「ぐぇッ!な、何で?」 ぐぇッて何だ?そんな奇声をあげている場合じゃない。 どうしよう!!困った!! 見事に、ピンヒールが!! ポキッと折れたヒールを見て、心も折れた。 人さまの前で、泣きたくないのにポロリと涙が落ちた。 面倒臭い女。イケメンさんは、きっとそう思う。 でもね、高かったの!まだ二回しか履いていないの!お気に入りだったのに。 小さく頭を下げて、うなだれたままコンビニを出た。
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