運命1

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といっても、目の前にそびえ立つ高層マンションで、指を差しただけで伝わる。 「あんた、金持ち?あんたの親が金持ち?」 うちは、特別金持ちなわけではない。 パパは、会社でそれなりの地位にはいるけれど、だからといって、贅沢をさせてもらってはいない。 ただ、私が一人暮らしするにあたって、心配性のパパとお兄ちゃんが、セキュリティのしっかりしたそこじゃなければ、認めてくれなかっただけ。 「過保護な親がいるから。別に、特別お金持ちじゃないけど」 そう言うと興味をなくしたのか、黙ってしまったイケメンさん。 イケメンさんと、呼びづらい。 名前くらい聞いても失礼じゃないよね? 「あんた名前は?」 「あのっ。お名前教えて下さい」 見事に、ハモった。 「プハッ。ハハハハ」
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