運命1

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イケメンさんが笑うから揺れる揺れる。 それにしても重たくないのかな? 「ハハッ。俺、市ノ瀬光騎。あんたは?」 「私、私は、須羽百合愛」 「「……………」」 沈黙。効果音をつけるなら、シーンっていうの。 まさか、イケメンさんが、パパと同じ名前だなんて、思いもよらなかった。 コウキと言う名前は、イケメンなのかな? そう思って少しワクワクしていた私の耳に聞こえた。 「サイアク」 ボソッと小さい声だったから、私に向けたというより独り言のようだけど。 それっきり黙りこくる市ノ瀬さん。 何が最悪なのか聞いてはいけない気がして聞けないでいるけれど、名前を言っただけだからきっと……。 元カノの名前か名字なんだろうなと想像できる。 最悪と思う何かあったんだ、きっと。
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