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オレの首筋には、なぜか木刀の切っ先が触れている。
「で? 何か弁解はあるのか?」
ここは剣道場――ではなく教室だ。哲二から事情を聞いた修司が、隣のクラスから飛んでやってきた。
「待て。まずは落ち着け。甘いものでも食べながらゆっくり話をしよう」
「お前、普段人のことエロ大魔神とか言ってるクセによ。童顔巨乳にたぶらかされやがって!」
「ち、違っ……」
興奮した修司に何を言っても無駄だと理解したオレは、横でみている哲二に目で訴えることにした。オレの祈りが通じたのか、呆れ顔ながらも哲二が口を開く。
「ゲームプレイだけで考えるのなら、五人というのはバランスがいいんじゃないかな。三人じゃちょっと不安でしょ。女性キャラでしか使えないアイテムや、行けない場所があるかもしれないし」
ナイスだ哲二。ちょっと無理矢理な感じもするがアホな修司には十分だ。
「だとしても、学園一の女王様だぜ?」
オレはそっと右手で、首筋に触れるか触れないかの位置にある木刀を遠ざけた。
「じゃ、じゃあ、オマエあの西条のとこに行って断れるのか? まだ教室にいたぞ。ほれ行ってこいよ」
「……。」
どうやら観念したようだ。修司はオレを睨(にら)みながら木刀を収めた。
「パフェはお前の奢(おご)りだからな」
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