Hotelバージニア

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「あっ、鷹山君いたっ!」 「アンタは一体何をグズグズしてんのよ」 振りかえると、愛くるしい笑顔の滝澤と睨みを利かした西条がこちらを見ていた。 「たった今、転送されたばかりなんだけど、時差があったみたい?」 「そうみたい。美咲が最初で一時間も前から待っているらしくて」 なるほど、待たされてイライラの頂点にいるわけだな。 「下僕がご主人様より遅く来るなんてありえないわ」 「転送システムに言ってくれよ。ほら、運営側もやっぱりご主人様を優先的に案内するよう設定されているんだよ。特に綺麗な人を優先的にさ」 皮肉を込めて言ったつもりだったのだが。 「ア、アンタ中々わかってるじゃない」 西条は、ほんのり頬をピンク色に染め、慌てふためいていた。 こいつがこんな顔もするんだな。 「ほら鷹山君、こっちのエレベーターがきたよ」 滝澤が止まるボタンを押して手を招いている。 さっきの発言が効いたのか西条は部屋に着くまで終始無言だった。
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