Hotelバージニア

5/6
60833人が本棚に入れています
本棚に追加
/1563ページ
高校時代に、いや、この世界で、修司や哲二のように俺が自信を持てる『何か』が見つかるだろうか。 いつまでも子供じゃいられないもんな。たかがゲームかもしれないけどこれも冒険だ。自分が求める『何か』を俺は探そう。 少しだけ小さな『決意』がオレの心に秘められた。 ティーカップを置く音がカチリと聞こえる。視線を滑らせると、西条と目があった。 すると西条は、意を決したように立ち上がった。 「アンタ達に、言わなければならないことがあるわ」 口調は、いつもの西条だが雰囲気が違う。修司や哲二も同じことを感じたのか、二人と目が合う。 「このゲームは――」 『プレイヤーの皆様、只今より【Kill Time】チュートリアルが開始いたします。室内のモニターをご覧下さい』 西条が話しを始めようとしたその時、天井スピーカーからアナウンスが流れた。 「いいわ。後にする」 話すタイミングを失った西条は、モニターに近寄りスイッチを入れた。
/1563ページ

最初のコメントを投稿しよう!