プロローグ

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複数の画面を同時に出し、次々と映像を変えていく。 『……シャーク』 座っている男の呟(つぶや)きで、立っている男は手を止めた。 画面に映るは、右手に大刀を携え身には赤い装備をまとった痩せ型の男。その大刀の柄部分には色彩豊かな装飾が施されている。 重厚かつ鋭い刀身は、画面を挟んだこの場所にさえも届きそうな圧力を放つ。 対する若者の両手に握られるのは日本刀。 日本古来より伝わる銘刀。互いの武器に遜色などない。 ――対峙する二人。 得物は互角なれど、その力量の差は歴然。 『ほう、これは面白いな。そのレベルで最強の男に挑むか』 ピンと張り詰めた緊張の糸を、若者の叫び声が切り裂く。 【染井吉野】発動。 若者の全身を桜色のオーラが支配した。 『彼の名は……鷹山 蓮か』 勝負の行方を見届けた男は満足げにグラスを傾けた。 画面には――
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