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「美咲さん、待って。先にイベントの登録を済ませてしまおう。効率よくペアを・・・・・・」
「何いってるのよっ! 柚葉がいなくなったのよ、イベントの事なんか考えられないわ」
美咲は、自分が認めた人間に関する事になると熱くなる性格だ。
今まで誰にも心を開くことがなかったからなのか、仲間意識が異常に強い。
特に柚葉はずっと一緒にやってきた仲間だ。気持ちは分かるが。
「落ち着けよ、美咲」
「アンタは黙ってて!」
「柚葉さんを探すことが最重要なのは分かっている。
だけど、このイベントにはクリアに必要なアイテムがあるんだ。
それにもう、僕達五人だけの問題じゃない、社員も大勢いる。全てのプレイヤーを救うのが目的だよ」
このセリフが美咲の怒りに油を注いでしまった。
「じゃあ、柚葉を犠牲にしろっていうの!?」
この爆発の仕方はまずいぞ。
「そうじゃないって、話しをよく聞け」
俺のフォローなど聞く耳を持たない美咲はどんどんヒートアップしていく。
「冗談じゃない! だったら、私は別の道をいく・・・・・・」
「ちょっと待てって!」
掴んだ腕を振り払って美咲は出ていってしまった。
『お、俺様の20GPは・・・・・・』
あるわけねーだろっ!
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