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「蓮、僕の言い方が悪かった。美咲さんの性格を考えて言うべきだったよね」
「いや、哲二の意見は正しいよ」
――どっちも正しい。
オレだって手が掛かりがあるならば、すぐにでも探しに行きたいんだ。
哲二だって同じだろう。だけどあれだけの人数の上に立つってことは、どんな時も冷静でいなくちゃいけないよな。
時には厳しい決断だって迫られる。
「僕は柚葉さんの向かった先の事を調べるよ」
「えっ!? 哲二分かるの?」
「見当はついているから調べてみる。優先順位の一番は柚葉さんに決まってる。
美咲さんにはそれを先に言うべきだったな……」
PDAを操作しつつ、哲二はパソコンに向かった。
美咲にメールでもしているのかな?
テーブルに置かれた冷めたコーヒーに口を付け、俺なりに考えてみることにした。
書類、あの場所、約束・・・・・・。
まず最初はカルミナ村のあの橋で、柚葉はゼノンに会ったのだろう。
確かあの時は封筒のような物を渡されていた。
哲二の推測からすると、他言すると父親の命はないと言われている。
だから、柚葉は今まで黙っていた。
そして、今日。
現れたのは二人組みの若い運営。
四つのキーワードを柚葉に伝えていた。
そういえば・・・・・・。
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